BGナレッジ

WinActorのお役立ち情報やノウハウをご紹介。

導入前の困りごと RPAとマクロ、システム開発の違い

【RPA比較】RPAとExcelマクロの違い、RPAとITシステムの違い

2022年11月07日 更新

パソコンを使って行う定型作業を自動化する「RPA」
業務を自動化することで、省力化・効率化を図り、企業の生産性向上に寄与します。
しかし、「省力化・効率化」と聞くと、RPA以外のものを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
パソコン作業の省力化・効率化といえば、よく聞くのは「マクロ」です。
その他にも、作業を省力化・効率化するために、専用の自社システムを開発するというケースもあり得ます。
本記事では、RPAとExcelマクロ、RPAとITシステムについて違いをご説明します。

1.RPAとは
RPAのメリット・デメリット
2.Excelマクロとは
Excelマクロのメリット・デメリット
ExcelマクロとRPAの比較
3.ITシステムとは
ITシステムのメリット・デメリット
ITシステムとRPAの比較
4.ツールの組み合わせも視野に入れる
5.まとめ

1.RPAとは

RPAとは、Robotic Process Automationの略で、パソコンを使って行う定型作業を自動化する技術です。
仮想知的労働者(Digital Labor)とも呼ばれています。

ルールの決められた定型業務を自動化でき、人が時間をかけて行っていた繰り返し作業やチェック作業等を効率化することができます。
自動で処理が行われるため、早く、正しく、大量に、処理を実行することができます。
また、夜間や休日など関係なく24時間365日稼働でき、手が空いた職員は非定型業務(コア業務)に専念できるようになります。

RPAのメリット・デメリット

RPAのメリットとして、挙げられるのは以下の3つです。

  • 定型業務の自動化ができ、従業員の時間が確保できる
  • 現場部門での修正対応が簡単にできる
  • ロボットがデータを扱うため、人より早く・ミス無く処理をする

逆に、デメリットとして挙げるとすれば、RPAは人のように物事を考え、臨機応変な対応ができません。
一度ロボットに覚えこませた業務内容そのものが変わってしまった場合に、ロボットに変更後の業務を教えてあげる必要があります。
この点に気が付かず、古い情報のままロボットを動かしてしまうと、後で人の手で修正をするといった手戻りが起きることも考えられます。

しかし、RPAは現場部門での修正が簡単にできる物が多いため、業務に変更があった場合はロボットもメンテナンスが必要だと意識できれば、
RPA導入で得られるメリットはとても大きくなります。

2.Excelマクロとは

Excelマクロとは、Excelで使われている機能のひとつで、人の作業を記録し、一連の動作を自動化する機能です。
プログラミング言語のVBA(Visual Basic for Applicationsの略)で記述されており、この言語が理解できると、
より高度な自動化も可能になります。

Excelマクロのメリット・デメリット

Excelマクロのメリットとして、挙げられるのは以下の2つです。

  • ボタンひとつで一連の動作が完了し、作業効率がアップする
  • Excelの「マクロの記録」機能を使うことで、プログラミングスキルの無い方でもすぐに自動化ができる
  • VBAを用いることで、自動化の範囲を広げられる

デメリットとして挙げられるのは、以下のつです。

  • 「マクロの記録」では表現できない操作手順がある場合、プログラミングスキルの無い方では対応ができない
  • 操作対象がExcelに限られており、業務全体の自動化はできない(広い範囲の自動化をするには、VBAの知識が必要になる)
  • VBAの部分がブラックボックス化してしまい、誰も触れなくなってしまう

Excelで完結するデータの集計やグラフの作成といった内容であれば、Excelマクロでも自動化できるケースは多いです。
ただし、VBAを用いる場合は、命名規則やファイルの管理等のルールを決めて、誰が見ても内容が分かる状態にしておかなければ、
作成者がいなくなった際に対応できないマクロとなってしまいます。

ExcelマクロとRPAの比較

業務を自動化するという点で似ているRPAとExcelマクロですが、大きな違いは自動化できる範囲と保守のしやすさです。
ExcelマクロはExcel上の操作を始め、VBAを用いてマイクロソフト社のOffice製品やMicrosoft Edge等のアプリケーションで活用することが可能です。
しかし、RPAはOffice製品以外の他のアプリケーションを操作することも可能で、自動化の幅が格段に広いという特長があり、
販売管理や在庫管理等、様々なツールと連携して、システムを跨いだ業務を全体的に自動化することが可能になります。
また、Excelマクロでは、複雑な処理を作成しようとすると、VBA(プログラミング言語)での開発が欠かせませんが、RPAではプログラミングの知識は不要です。
RPAでは、既に用意された操作のパーツを組み合わせて操作手順を作成するため、プログラミングの経験がない方にも簡単に使用できるツールです。

RPA Excelマクロ、VBA
自動化範囲 PC上で動作する全てのアプリケーション Excel等のOffice製品
Microsoft Edge
プログラミング知識 なくても可 自動化範囲によって必須
開発 ユーザー部門が短時間で可能 エンジニアとユーザー部門の連携で時間がかかる
適した場面 業務全体を自動化する場合 Excel等のOffice製品、Microsoft Edgeを利用した業務のみを自動化する場合

表:RPAとExcelマクロ、VBA比較

3.ITシステムとは

ITシステムのメリット・デメリット

ITシステムとRPAの比較

次に、効率化を目的にITシステムを自社開発するケースと比較してみましょう。
ITシステムを開発する場合、専門知識を備えたエンジニアと、実際に要望を出すユーザー部門の双方が連携する必要があります。
エンジニアとユーザー部門との間で認識の乖離があると、システムの開発に時間を要することになります。
一方、RPAは、プログラミングの経験がないユーザー自身が、業務自動化を進めることができるため、スピード感を持って業務効率化を図ることができます。
ちょっとした機能の追加や変更も、業務を知るユーザーがRPAで汲み取ることができるため、簡単な物であれば数十分もあれば対応が完了します。
また、RPAは既にあるシステムやファイルを使って、処理を自動化するため、既存の業務フローを変える必要がありません。
業務を知るユーザー部門でスピーディに問題解決ができるのが、RPAだと言えます。

RPA ITシステム
自動化範囲 PC上で動作する全てのアプリケーション 要望に合わせて対応
プログラミング知識 なくても可 必須
開発 ユーザー部門が短時間で可能 エンジニアとユーザー部門の連携で時間がかかる
適した場面 既存の業務フローを変えずに、費用を抑えて効率化を行う場合 業務の効率化に対して、大規模に改革を行う場合

表:RPAとシステム開発比較

4.ツールの組み合わせも視野に入れる

ここまで、RPAと他のツールの違いを見てきましたが、何を選ぶかという選択だけではなく、「組み合わせる」ということも念頭に置いて業務効率化を図りましょう。
例えば、RPAはどのアプリケーションも操作することができますが、Excel内で完結する操作は、Excelで実行した方が効率的です。
そのため、基幹システムとExcelを使用した業務を自動化する場合、基幹システムの操作はRPAで行い、Excelに対する操作はExcelマクロで実行するという、RPAとExcelマクロを組み合わせて使うというのも有用な手段の一つです。
それぞれの特性を理解し、最適なツールを使用することで効率的に業務自動化を実現しましょう。

5.まとめ

パソコンを使って行う作業を自動化するRPAとExcelマクロの違い、RPAとITシステムの違いをご説明しました。
RPAは、様々なアプリケーションに対応し、プログラミング知識がなくても使用できるツールです。
また、業務内容によっては、RPAと他のツールを組み合わせることで更に効率化を進められる場合があります。
業務内容とRPAの適合性に関して、詳しく知りたいという方は、メールフォームよりお気軽にお問合せください。

WinActor®のお問合せや体験について

まずは無料で試してみる

WinActor®評価版 お申込み 

もっと知りたい

資料請求 お申込み